現在休館している大阪人権博物館は、35年の活動のなかで多様な差別・人権問題に関する収蔵品(資料・写真・映像など)を収集・保存してきた。具体的な対象は、被差別部落、女性、在日コリアン、沖縄、アイヌ、障害者、ハンセン 病、公害、薬害などであり、きわめて広い。いずれも重要なテーマで、今後の展示再開の際に大きな意味を持つ。今回はこのなかから、部落(牛をめぐる食文化)とハンセン病(回復者と療養所)にテーマを絞り込んで、収蔵品を活用した「デジタル博物館」を試行したい。AV機器やデジタル映像といったツール を作成することで、人権教育・啓発の現場において新たな学習素材として活用
してもらうことを目指したい。あわせて、実物資料を中心に地域コミュニティにおいて展示公開し、セミナーなどと連携させることを通して、差別・人権問 題への理解をさらに深める場を設ける。また、来場者から人権教育・啓発のニーズを直接把握することで新しい常設展示の具体化に繋げる。
・映像制作 (2021年10月完成予定)
①「牛肉と私たちのくらし」(仮)
②「ハンセン病の歴史と回復者の生活」(仮)
・動画配信 (2021年12月配信予定)
・移動博物館 (2022年度)